第101回箱根駅伝中央大学エントリー考察(復路)

第101回箱根駅伝、区間エントリー予想のようなもの復路編です。
往路編はこちら

例によって、エントリー予想=外れる選手予想になってしまうのはあまり好ましくないので、往路編と合わせていずれかの区間に全選手が登場します。

あまり予想としては面白みが無いとは思いますが、ご了承頂ければ幸甚です。
ご閲覧にあたっては、以前記したコース紹介も合わせてご覧頂ければと思います。

6区20.8km(箱根~小田原)

区間記録 館澤 享次(東海大4) 0:57:17
学内最高 浦田 優斗(3) 0:58:37 (野村 俊輔(3) 0:58:29 ※20.7km)

本人希望:浦田
媒体予想:浦田
予想:浦田、並川

山下りの6区です。5区と並んで箱根路ならではの特殊区間ですね。持ちタイムやこれまでの実績はあまり関係なく、突如ニュースターが誕生する区間とも言えます。

とは言うものの、藤原監督も明言されている通り一番手は下りのスペシャリストかつ新学内記録保持者の浦田くんでしょう。実績や関東10マイルでの調整具合も充分で、前回以上の上積みが期待できます。

事実上一択ですねと言いたいところですが、山下りにサブがいないというのはチーム方針としては考えにくいです。

前回大会ではおそらくその役割だった佐藤蓮くんが、今回16人エントリーを外れながら関東10マイルで爆走、誰が控えているのかはちょっと分からなくなりました。根拠としては弱いですが、都大路4区をまとめてその後の成長著しい並川くんは候補かもなと思います。負けん気の強さや思い切りの良さもこの区間向きですね。既に走力自体も高いですし、エントリーされていても全く不思議ではないと思います。

基本的には攻めの区間として、学内記録やそれ以上を伺う走りが求められそうです。

7区21.3km(小田原~平塚)

区間記録 阿部 弘輝(明治大4) 1:01:40
学内最高 吉居 駿恭(2) 1:02:27

本人希望:吉中、鈴木
媒体予想:吉居駿、吉中、佐藤大、藤田
予想:吉居駿、鈴木、藤田、佐藤大

7区が新入生デビュー区間という位置づけだったのも今は昔、細かなアップダウンや気温上昇が選手を苦しめるコースで、優勝を狙うチームがここで勝負を決定づける走りをすることもしばしばです。前回大会同様、7区はキーポイントになると思います。

仮に往路を担うであろう選手が勝負の7区として出走、ということであれば前回区間賞の吉居駿くんが1番手と思います。差し込みがありながらもハイレベルな記録での区間賞、上り調子にある今ならばそれ以上の走りも期待できます。

今期に入って本領発揮の鈴木くんは、7区を希望していますね。本人コメントでは当落選上とのことですが、その立ち位置からも7区出走の可能性はあろうかと思います。いずれは区間記録へも挑戦、という力強いコメント通りの走りを期待したいです。

藤田くんはトラックを中心に力を付けてきましたが、MARCH対抗戦からの荒川ハーフ連戦を高いレベルでこなしたのには驚きました。トラックでの出走はいずれも主力と揃っての後半組、速いペースで押していく走りで、ラストを乗り切って欲しいです。

アップダウン区間の定義からは少しずれるものの、佐藤大くんが岡田くんと並んで学年として抜けている、というコメントからはこの区間を攻める意味での配置も有り得そうです。

挙がった人員のいずれでも攻めの区間を体現できそうな布陣ですね。

8区21.4km(平塚~戸塚)

区間記録 小松 陽平(東海大3) 1:03:49
学内最高 奥田 実(2) 1:04:26

本人希望:阿部、園木、佐藤大、田原
媒体予想:阿部、田原
予想:阿部、田原

個人の印象としては復路最難関の8区、近年の同区間におけるレベル急向上にあって、なお奥田選手の学内記録が長く立ちはだかる区間です。強烈な遊行寺坂登りからの細かなアップダウンが選手たちを苦しめます。

攻めの8区という意味ではやはりリベンジに燃える阿部くんが第一候補でしょう。万全であれば遊行寺の登り定点間をトップで駆け抜けてもおかしくないと思います。

佐藤大くんも考えましたが、5区の可能性があるという仮定に従えば8区両睨みという配置は考えにくく(まあ7区もそうなりますが…)、1年生の中で登りに強くこの区間を希望している田原くんの方が可能性は高そうです。レガシーハーフ後半の登り攻略とラストスパートは見事でした。阿部先輩との競争という条件付きでもなお出走可能性は十分あると思います。

近年、記録の向上が激しく、一昔前ではかなり困難だった64分台が当たり前になりつつあります。出走者によっては学内記録は勿論のこと、更に上の記録を狙っていく区間となりそうです。

9区23.1km(戸塚~鶴見)

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区間記録中村 唯翔(青山学院大3) 1:07:15
学内最高 湯浅 仁(2) 1:08:31

本人希望:園木、山平、白川、吉中、藤田
媒体予想:山平、白川、吉中
予想:山平、白川、藤田

9区は2区の逆、復路エース区間としても知られています。前回は白川くんが体調不良明けながらまとめ、前年までは湯浅元主将が2年連続、それ以前も手島・大森・苗村各選手が好走し、近年の成績は良い傾向の区間です。

まずは出走となれば2年連続となる白川くんが候補。体調不良明けの出走以降、主力への坂をどんどん駆け上がっていったのはファンの皆様ならよく知る所。満を持して2度目、という表現がしっくりきます。

そして前回直前まで出走予定という位置づけながら、悔しい未出走の山平くん。自他共に認める長距離適性でこの長い区間を安心して任せられると思います。

更に、藤田くんが湯浅元主将リスペクトで9区を希望していますね。今期後半の成長ぶりからすると、驚かれそうな気もしますが個人的にはあり得るのではという認識です。

近年、復路後半は記録水準が著しく向上しています。長距離適性のみならず、ベースとなるスピードの対応も求められそうです。特に競い合う走者がいる展開を睨んだ場合、尚更ですね。

10区23.0km(鶴見~大手町)

区間記録 中倉 啓敦(青山学院大3) 1:07:50
学内最高 助川 拓海(4) 1:09:27

本人希望:山平、吉中、原田
媒体予想:山平、白川
予想:阿部、山平、吉中

最終10区は9区と並んで長距離区間、フラット気味ではありますが大きな曲がり角やビル風、暑さなどで走りやすいとは言い難い区間です。この区間も記録水準が向上、第99回大会助川選手の快走もあり、学内記録も遂に70分切に突入しました。

この区間は最後までもつれる可能性も考えつつ、長距離対応+ラストスパートの強力な選手に任せたいところ。

9区と同様に長距離に強く、かつトラックレースのラスト一周でしばしばワープする山平くん、1500mのスピードもある吉中くんが、展開によっては嵌りそうな気がします。

阿部くんの予想はやや変化球ですが、8区を担う登りに強い選手の配置によっては、ここで笑ってゴールテープを切ってもらう、という役割を一番に担って欲しい選手です。

希望している1年生も力があり良いと思いますが、それでもやはり上級生の可能性が高い区間でしょうか。前回の柴田くんの例をそのまま踏襲、というのは個人的には考えにくいという認識です。

泣いても笑っても最終区、誰が走ってもチームとして悔いなくゴールテープを切って欲しいと思います。

それでも敢えて10名予想

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…というわけで予想にもあまりならないような予想をつらつら書いてまいりましたが、これで終わるのはあんまりなので失礼を承知の上で敢えて10名だけ、とした場合私のイメージでは今のところこんな感じです。

◯園木くん5区パターン
吉居駿-溜池-本間-岡田-園木
浦田-佐藤大-阿部-白川-山平

◯佐藤大くん5区パターン
吉居駿-溜池-本間-岡田-佐藤大
浦田-藤田-阿部-白川-山平

前回大会の5区山﨑くんOR阿部くんの2パターンを考えた時と同様に、5区の人選により復路ポイント区間の配置がやや変わってきそうです。

往路は今持てる最高の力に近い所をオーソドックスにぶつけ、7区9区でゲームチェンジ、というイメージに合致する形で考えてみました。5区園木くんの場合は、7区のコース的な相性を言えば??な面もあるものの、1年生の中で岡田くんと共に抜けている、という評価を踏まえ佐藤大くんを予想します。

逆に、登りを意識して調整したと思しき園木くんが5区を外れた場合は、7区でなく8区の可能性もありそうです。8区は雪辱に燃える阿部くんが普通に考えれば盤石な体制で控えていると思いますので、書きはしませんでしたが可能性も無いではないか、といったところでしょうか。

個人的には距離を克服したことでコメントからも自信が満ち溢れている藤田くん、夏頃に力の抜けた良い感じのフォームを目撃してからずっと注目していました。吉中くんや田原くんを始め他の選手とも非常に迷いますが、この戦力の中にあってなお、抜擢されておかしくないと見ています。

16名の選手のうち、特に10人目に近づくほど甲乙つけ難い選手が増えてきて、おそらくスタッフもそこの見極めに苦心されるのではないかと想像します。勿論、どのような形で出走になったとしても応援あるのみです。

区間エントリー発表まであとわずかです。現在の予報ですとコンディションは悪くなさそうですね。どの大学もアクシデントなく、持てる力を最大限発揮して欲しいと思います。