第99回(2023)箱根駅伝 中央大学チームエントリー考察(1年生)

区間エントリー予想のような選手紹介のような…最終回です。1年生からは4名ということで、合格発表時に感じた期待の大きさがそのままこのエントリーにも現れています。

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※注
各種媒体: 主に個人ブログや動画・新聞等で触れられた区間
本人希望・監督: 雑誌の「希望区間」等や選手監督スタッフがニュース記事等で言及した区間
予想: 私の単なる予想

5000m 00:14:14.61 (高校在学時記録)
10000m 00:29:11.08 (2022-11-25)
Half 01:05:14 (2022-11-13)

各種媒体:?
本人・監督:7区、9区
予想:7区、9区、10区

1年生の16名エントリーで、佐藤くんを始めに紹介する日がくるとは、なかなか感慨深いものがあります。いずれくるとは確信していましたが私の想定よりずっと早かった―そんな印象です。

当時の新入生紹介記事にも書きましたが、中学時代の3000m持ちタイムは9分台ながら、ひたすらに出走と成長を積み上げていった好選手です。大学時も全く変わらずほぼ毎月のように何らかのレースに出走、特に10000m超の距離では早くも頭角を現し、世田谷・MARCH対抗戦と連戦ピークの課題も見事クリアしての16名エントリーです。
男鹿駅伝、藤沼湖駅伝への参加など主力選手とは異なるレース歴を改めて見ると、秋以降の成長速度がなお際立って見えますね。

記録をずっと追っていた立場からすれば当然の16名エントリーですが、外から見れば必ずしもそうと言えない面もあったようで、残念ながら佐藤くんを区間エントリーに入れた予想は(探した限りでは)見つかりませんでした。
トラックレースでは遅れてからの粘りが素晴らしい印象で、やはり現状では本人希望含めた復路区間が候補になろうかと思います。

1年生で9区10区はどうか?と見る向きもありそうですが、本人が言うように長い距離には自信があり、また監督コメントからすると冬の合宿を経てまた一回り強くなったように思えるんですよね。箱根駅伝春夏秋冬のポイント練習の様子からも、そう感じました。本番までにまだ強くなるようであれば或いは、と思います。いずれにせよ今後も楽しみな選手です。

5000m 00:14:08.07 (高校在学時記録)
10000m 00:29:04.20 (2022-10-09)
Half 01:04:23 (2022-11-13)

22全日本:補員

各種媒体:6区、8区
本人・監督:10区
予想:7区、8区

白川くんもいずれくると思っていましたが、16名エントリーまで早かったですね。4月末の法政大でデビューとわずかに出遅れはしましたが、6月の日体大では10000mのPBを大幅更新し夏を迎えます。夏季はかなり良い練習が積めたようです。小雨の降る10月の早大競技会では28分台に手の届く所まで10000mを更に更新、続いての世田谷ハーフでも快走、いずれもチーム順位が上位というのも特筆すべき点です。高校時代に感じたタフな選手という印象そのままに、力強く成長してくれました。

出走があれば三大駅伝デビュー、流石に復路区間が中心となりそうですが、世田谷ハーフでこれだけ走れるとなるとアップダウンも問題なさそうに思います。距離対応には自信があるようなので、本人希望の10区もありそうですがどちらかといえば7区8区でしょうか。大阪府高校駅伝の独走区間新など、単独走も苦にしなさそうです。

白川くんも佐藤くん同様ポイント練習が非常に良かったんですよね。既に10番手を争うところまで来ているのではないでしょうか。

5000m 00:13:46.16 (2022-10-01)
10000m 00:28:26.77 (2022-12-03)
Half 01:06:59 (2022-12-07)

22出雲:5区2位

各種媒体:2区、3区、4区、7区
本人・監督:3区、4区、7区
予想:1区、4区、7区

1年生世代の2枚看板、というだけでなく既に押しも押されもせぬ主力選手となった溜池くんです。
入学前都大路、10000m初出走から現在に至るまで多数の出走にも関わらず、記録上での明確な失敗レースは一度たりともありません(本人の評価はまた違うと思いますが)。インカレの大舞台でも物怖じせず前で勝負をかけて粘走、記録を狙って走ればPBを多数更新と見事な活躍でした。

三大駅伝初出走の出雲路5区も良かったですね。強い向かい風やアップダウンにも負けない体幹の強さを感じました。
それだけにその後の一時離脱は残念でしたが、復帰戦の日体大10000mでは爆走…にも関わらずゴール後の涼し気な様子が印象的でした。ハーフマラソンの後半を意識、という走りで28分30秒切は驚異的、距離についても問題なさそうに見えますね。

出走区間予想ですが、本人希望区間の中でもアップダウンが目立ちそうな区間は特にうまく走ってくれそうです。
好調だった場合全日本1区の可能性もあったとのこと。集団走も得意な印象なので、1区他校の面子によっては可能性も。途中の離脱がなく日体大の結果を見ていたら、2区予想もあったかもしれません。

中野翔くんと共に復調との名前があがる辺り、チームの浮沈を握る存在であることは疑いありません。どの区間を、どのように走ってくれるか注目です。

吉居 駿恭

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5000m 00:13:40.26 (2022-10-01)
10000m 00:28:06.27 (2022-11-26)
Half 01:06:59 (2022-12-07)

22出雲:6区4位
22全日本:3区8位

各種媒体:1区、2区、3区、4区
本人・監督:1区(ないし往路)
予想:1区、3区、4区

さてラストを飾るは吉居駿くん、同じく1年生の2枚看板という位置づけを越えた活躍を見せています。
やはり今年一年、記録上での明確な失敗レースは一度たりともなく、全てのレースで高位安定しています。

駅伝にも強く、出雲アンカーは序盤向かい風を受けながら快走。全日本3区は距離が伸びましたが出雲路より更に早いペースで走破、途中の差し込みが無ければもっと記録を伸ばしていたと思われます。それを証明するかのごとく八王子LDでは兄の記録に肉薄するU20日本歴代4位の快走。その後のポイント練習も良い形でこなしており、満を持して初の箱根路へ挑みます。

さて、予想区間ですがまず主要区間1区3区は選択肢に挙がってくるところ。
一方、上りは得意でないと公言しているようで、4区予想は例としても多いのですが非常に迷いどころです。

中野翔くんの調子が不透明な時は2区もあるか!?と考えていましたが、同様にアップダウン・上りが厳しいコースであってもやはり難易度としては2区>4区(コースだけでなく出走選手なども踏まえ)。ただ順調であれば往路登場は確実なはずで、1区3区の二択というのもまたしっくりきません。その2区間だけの両睨みでなければまだ4区のほうが可能性あるか…という判断です。しかし、そう遠くない未来に2区出走も視野に入ると思います。

その高い前評判とも全く違わず、今シーズンを駆け抜けてきました。その一方で自分自身に対し時節厳しい評価を下していますので、何よりも本人が納得いくような走りを期待します。

まとめ

1区 千守、吉居大、溜池、吉居駿
2区 中野翔、湯浅、吉居大
3区 千守、吉居大、吉居駿
4区 千守、中野翔、山平、溜池、吉居駿
5区 阿部
6区 助川、若林、大澤
7区 助川、千守、中澤、山平、佐藤宏、白川、溜池
8区 田井野、中澤、東海林、白川
9区 助川、田井野、若林、中澤、湯浅、山平、東海林、佐藤宏
10区 助川、田井野、若林、中澤、湯浅、山平、東海林、佐藤宏

ここまで挙げてきた区間予想をまとめてみましたが、やはりここまで来ると予想とはとても呼ばないような代物になってしまいます。

例年以上に5区予想は手薄。監督自ら5区は阿部しか…と明言された以上やむなしですね。もちろんバックアップ要因はいるかと思いますが、予想の上ではそこは触れないでおきました。

同じく例年以上に9区10区が多数。下級生の希望者が多いことや、4年生の層が分厚いことによる嬉しい悲鳴かと思います。

いよいよ明日は区間エントリーですね。往復路で6人エントリー変更が可能になり駆け引きの度合いは強くなりましたが、藤原監督は比較的オーソドックスに組んでくる印象です。そこを変えてくるか或いは、という所でしょうか。座して待ちます。