第99回(2023)箱根駅伝 中央大学チームエントリー考察(3年生)

区間エントリー予想のような選手紹介のような…第2弾、今回は3年生です。現チームの軸となるエース級がずらり揃う中で、16名エントリーの面子は年々変遷。抜きつ抜かれつで高め合ってきた印象が強い学年です。

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※注
各種媒体: 主に個人ブログや動画・新聞等で触れられた区間
本人希望・監督: 雑誌の「希望区間」等や選手監督スタッフがニュース記事等で言及した区間
予想: 私の単なる予想

5000m 00:14:15.48 (2022-07-18)
10000m 00:29:14.67 (2020-12-05)
Half 01:04:36 (2022-03-13)

各種媒体:6区
本人・監督:6区
予想:6区

いわゆる「吉居チーム」加入の3選手が目立つ3年生世代にあって、前回エントリー経験者の中に割って入ったのは大澤くん。
韮山高在学時の5000m持ちタイムは14分40秒台でしたが、入学直前3月の10000mで30分30秒を切るタイムをマーク。この選手はひょっとするぞと、目に留まったことを昨日のことのように思い出します。

そこからは地道に出走を積み重ねつつ、時節あっと驚くような記録を見せてくれるようになりました。10000mPBは1年時冬のもの、もうこんなに力を付けたのか!とこれまた鮮烈な記憶が残っています。

今年度は得意の3000mSCを中心に大車輪の活躍でしたね。特に4月~5月にかけてのPB連発からのインカレ入賞は見事でした。長らく14分30秒台のままだった5000mPBも大幅更新、10000mの記録も高い水準で安定してきました。
チーム目標120回PB更新の達成に向け、手元調べでは大澤くんの8回更新がチーム内で最も多いんですよね。

今回の16名エントリーも順当そのものですが、出走区間はとにかく6区への並々ならぬ拘りが見て取れます。確かに障害走が得意なランナーで山下りの名手は多く、イメージとも合致します。男鹿駅伝で下りコースを走ってくれれば更に強烈に推せたのですが、このあたりはどうでしょうか(2区は上って下る…なので仮想6区と捉えることもできる?)。

走るならば若林さん超え、との力強い発言もありました。若林主将が平地へ回るとしたら、58分台やそれ以上を目指せるランナーが他に出てきた時でしょう。大澤くんがその座を狙う一番手であろうことは間違いないと思います。

5000m 00:13:39.94 (2022-10-01)
10000m 00:28:00.86 (2022-07-13)
Half 01:04:03 (2021-10-23)

21全日本予選:3組11位
21箱根予選:82位
21全日本:3区9位
22箱根:4区5位
22出雲:3区7位
22全日本:補員

各種媒体:2区、3区、4区、7区
本人・監督:1区、2区、3区、4区
予想:2区、4区

2大エースの一角中野翔くん、12月に入り調子を上げているようです。

今期特に前半の活躍は正にエースの姿そのものでした。関東インカレ表彰台を含む4度の5000m13分40秒台を経ての40秒切り、学内10000m記録も更新と絶好調。
駅伝シーズンもこの勢いで突き進むかと思われましたが、出雲路好走後の全日本前後で少し足踏みでしたね。走っている様子は伺えたのですが、16名エントリーギリギリまでファンからはその動向が心配されました。

本番へ合わせてさえくれれば、元々はロードでの活躍の方が印象深い選手です。距離にも強く、前回大会4区のようなレース中の切り替えが光る走りもできます。本人が希望する往路前半での登場が当然想定されますが、1区3区はどうでしょう。彼の持ち味が生きるという点では特に上りを中心にアップダウンのコースが、あくまで外野から見た印象ですが望ましくもあります。

上りを苦にしないという点は自他認めるところですし、100回大会優勝という大きな目標に向け、中野翔くんが2区を経験すること自体も大きいと思います。もちろん経験区間4区も難しいコースで、3-4区で攻めるという監督発言をそういう配置への解釈―とみなすこともできます。

順当であれば主要区間出走は間違いないでしょう。本人が言及した真のエースと呼べる存在を目指して、他校のエースと渡り合って欲しいと思います。

5000m 00:13:58.32 (2022-10-02)
10000m 00:28:47.81 (2021-11-24)
Half 01:03:57 (2021-10-23)

20箱根予選:179位
21箱根予選:74位
21全日本:補員

22箱根:9区3位
22出雲:補員
22全日本:7区10位

各種媒体:9区
本人・監督:全区間
予想:2区、9区、10区

昨年1年間は一気に強くなったな、という印象が強かった湯浅くんですが、前回大会9区を爆走して迎えた今期は完全に主力として定着しました。

フルマラソンを終え春先に復帰すると早速5000mPBを更新、関東インカレ10000mでは後半に自らレースを動かすなど見せ場を作り、秋の5000mでは13分台突入とスピードもついてきました。全日本7区は難しい展開でしたが持ち味を発揮し順位キープ、MARCH対抗戦10000mでも2ndPBととにかく崩れず安定しています。

中野翔くんの復調具合が不明な時は、前回の手島くんのような役割を期待しての2区抜擢もあるかなと思っていました。現在の状況では可能性がかなり低くなりましたが、入学時からとにかく距離への強さを言われていた湯浅くんが、比較的短い区間へ出走することは考えにくいかと思います。
本人希望も踏まえ復路全区間を睨んでということもありそうですが、単純に距離のことを考えて2-9-10をピックアップしました。

とは言うものの、学内記録保持者として臨む9区が最も安心して任せられる区間でしょう。この距離を、強い日差しが照りつける時間帯に2:58/kmのペースで走破できるランナーはそういないと思います。多くのブログ、Youtube動画などで湯浅くんが当然のように9区にいることも頷けますね。

出走すれば確実な走りを、とまで言い切れる安心感がある今期の湯浅くん。集大成の走りを期待します。

吉居 大和

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5000m 00:13:25.87 (2020-12-04)
10000m 00:28:03.90 (2021-12-04)
Half 01:01:47 (2020-10-17)

20箱根予選:10位
21箱根:3区15位
21箱根予選:13位
21全日本:1区2位
22箱根:1区1位区間新
22出雲:1区1位
22全日本:6区1位区間新

各種媒体:1区、2区、3区
本人・監督:1区、2区、3区(ないし5区以外)
予想:1区、2区、3区

我らが大エース吉居大くんです。遂に上級生となった今年度も、随所で非凡な走りを見せてくれました。

恒例のアメリカ遠征では良い練習が積めたようですが、移動の疲労などコンディショニングの難しさもあり、記録を狙いに行ったレースでは思うような走りにならなかったようです。夏場は久々とも言える長期の故障を経験、距離を踏めない中での駅伝シーズン突入となりましたが、出雲路・全日本とも見事に区間賞をもぎとる点は流石でした。
特に帯状疱疹回復後の前日練習のみで臨んだ全日本6区区間新は驚愕の一言です。

さて、出走は間違いなく往路前半が中心となりそうですが、ほぼ1区一択だった前回と比べ、今回はどうでしょう。

走ればどうにかしてくれるという安心感・力強さは年々増しています。昨年もここで記したように、最も強く速いランナーで2区どうでしょという選択肢もあり得そうです。が、渡辺康幸・住友電工監督が解説で触れておられたように、走りのイメージが上りと合致せず確実にここ!とは言い難いです。

1年時の3区リベンジも良いですね。湘南海岸に出てからの風向きだけは気になりますが、元々コース特性としてはハマりやすい区間と思います。2区終了時の位置によっては、トップスピードで序盤入ってそのままトップを奪う―という展開も期待できそうです。

前回以上に警戒されるとは思いますが、1区再度の飛び出しも期待できます。前回大会、六郷橋を下りきった後のラップタイムからはやや疲れを感じました(至極当然ですが)。更に記録を更新してきてもおかしくないです。「1区2区でできれば先頭を」「3区4区で勝負」監督の2つの発言が、予想を一層難しくしていますね。

夏場の遅れは10月以降距離を意識した練習を踏んだことで克服、特に12月はかなり良い練習ができているそうなので、本人の言葉通り前回以上の走りを期待したいと思います。