« 前の記事へ 次の記事へ » 緊急事態宣言解除に伴う、今後の各種陸上記録会の開催規模を検証するby live_ekiden2020年5月26日2020年5月26日 Post Views: 444 北海道と首都圏含む全国の「緊急事態宣言」が解除となりました。陸上ファンとしては、連日中止の報が入り続ける各種大会について、今後少しずつでも再開されることを願ってやみません。さて、全面解除にあたり、政府が策定した経済活動再開に向けた目安が報じられています。本当は一次ソースにあたりたかったのですが、探し方が悪いのか見つからなかったのでニュースからの引用となります。 経済活動再開に向けた目安(政府案) 詳細な人数と日付が示されてるので、これを基に記事を書くつもりです自分用備忘録コンサートや展示会など条件付きで開催容認へ https://t.co/dcMKPwDOI1 @nikkansportsさんから— しょう@駅伝関係実況垢 (@live_ekiden) May 25, 2020 25日付日刊スポーツの報道によると、ポイントは4つあります。6月18日までは開催上限人数を屋内で100人・屋外で200人、または収容人数の50%以内。6月19日以降の上限人数は屋内・屋外とも1000人。スポーツイベントも無観客での開催を容認する。7月10日以降の上限人数は屋内・屋外とも5000人。屋外は「できれば2メートル」の十分な間隔を空ける。状況を見極めつつ、8月1日をめどに上限人数を撤廃。十分な間隔を空けることは変わらず。 自治体ごとの基準が重視されるのでは? 一方、特定警戒に該当した首都圏を中心に、独自のロードマップを定めた自治体もあります。例えば東京都におけるイベントはステップ0:開催不可ステップ1:50人まで(観客席使用停止)ステップ2:100人までステップ3:1,000人まで →その後上限撤廃となり、今般の解除を受けてステップ1から順に、2週間単位で状況を評価していくとのことです。政府案が日付通り順調に施行されたとしても、個別の都道府県―例えば6月初旬の段階で東京ではステップ1のままであった場合―、事業規模によっては競技場他の使用許可がおりないでしょう。したがって、今後の記録会等の開催にあたっては、会場の所在地である都道府県の基準に合わせての判断になると思われます。(ちなみに神奈川県の基準では、ステップ1:運動、遊技施設使用可、小規模イベントの開催を可能とするステップ2:中規模イベントから順次開催を可能とする…ということで、具体的な数字には踏み込んでいないようです。)そこでこれらの基準で開催され得る記録会はどの程度のものなのか?ざっくりと検証してみました。 かなり雑な条件設定 過去の各種記録会のスタートリストないし結果から、重複した氏名を(可能な限り)除いたおおよその出走人数をカウント。DNSもカウントするため、ほぼ最大限の人数。人数の1割程度が運営人数と仮定(ただし、最低20人程度~上限100人程度とする。)以上を足し上げた数字を例示とし、基準の数字と比較。正直言って雑なやり方ではありますが、普段目にしている大会がどれくらいの規模であるかという確認にもなるので、何かしら理解の助け・参考になればと思います。 東京都のステップ1:50人までSponsored Link 2020/3/8(日) 2019年度第4回中央大学記録会:26人+運営20人程度これは学内記録会、かつ1組程度出走という条件のみ実現可能な数字でしょう。都の基準が5月26日現在のステップ1からステップ2へ動くのは早くとも月末のため、ひとまず5月中から6月初旬の大会開催自体ほぼあり得ないということになります。 東京都のステップ2:100人まで 2019/10/6(日) 2019年度第3回中央大学記録:68人+運営20人程度この段階になると、学内記録会であれば短中長距離男女含めてぎりぎり開催可能なレベルです。大所帯の部だとこうもいかないかもしれませんが、種目を絞ったり分散すればある程度の規模の記録会が行われるようになりそうです。 6月18日までの政府案:屋外200人Sponsored Link 2018/10/27(土) 2018年度第2回中央大学記録会:151人+運営20人程度100人超えから200人までの記録会という条件もまだまだピンポイントで、該当するものはかなり限られます。上記記録会も「男子の100m・200m・400mおよび1500m・3000m・5000mのみ」とかなり限られた規模での実施となりました。学内+若干の学外+種目を絞ることでやっと実現というところです。事実上、この段階では各大学主催の学内記録会の開催にとどまるものと思われます。実は2019年の関東学生網走夏季記録挑戦競技会もここに該当した(89人+運営20人程度)のですが、東京→北海道と県をまたいだ移動が大量に発生することを考えると、今年度大会中止の判断も致し方無い所です。 6月19日以降の政府案 & 東京都ステップ3:1,000人まで 2019年5月18日(土) 第2回 世田谷陸上競技会:300人+運営30人程度2019年11月23日(土) 10000m記録挑戦競技会:405人+運営40人程度2019年6月2日(日) 第271回日体大長距離競技会:718人+運営70人程度一気に上限が引き上がりますが、日体大記録会では組数が比較的少ない時期のものでやっとでしょうか。それでも6月くらいの組数なら開催可能なレベルです。ただしこの日の場合、1日目の6月1日は出場者が1,000人を超えているのでアウトです。逆に世田谷記録会、学連記録会レベルであれば十分開催可能となりました。更に、多くの陸上記録会はここに当てはまります。中規模程度で土日に渡っての開催であれば、トラック・フィールド男女込で実現可能な大会が増えてきます(ざっと計算した限りで、国士舘大学記録会などが800~900人規模)。また、ホクレンディスタンスの各大会も出走者が概ね200人台~400人台の規模なので、6月10日頃に大会参加可否を発表とのことですが、このまま推移すれば7月の大会開催は十分あり得る話です。尤も、こちらは県境を跨いだ移動を考慮しなければなりませんが…。ちなみに全日本大学駅伝関東予選は、エントリー13名×20校=260名+運営で、ここに該当するつもりです。6月20日が開催予定日なのでギリギリの線でしたが、前もって中止を判断したことは、後から振り返って見ても妥当な判断と思います。この数字を見る限りでは、ひょっとすると6月中旬から秋以降の各種記録会は、様々な策を講じた上で実現できるかもしれないな、といったところです。 政府案の7月10日以降&東京都の上限撤廃までは実施できない可能性のある大会Sponsored Link 2019年11月30日(土) 第275回日本体育大学長距離競技会:2266人+運営100人程度2019年12月1日(日)第275回日本体育大学長距離競技会:1565人+運営100人程度全日本関東予選中止の記事でも触れた、2019年11月30日~12月1日の日体大記録会です。この例以外にも、組数の少ない時期以外は、日体大記録会の出走者は1000人を余裕で突破します。今回改めて数えてみて、その実施規模と参加人数に驚嘆しました。本当に運営の皆様には頭が下がります。厳密に言えば日体大記録会は神奈川県下での開催なので見出しとは微妙に噛み合わないのですが、まあ大会規模の検証ということでご了承ください。 観客数を考慮していない 既にお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、政府案の1000人規模の部分に「スポーツイベントも無観客での開催を容認する。」とも書いてあるわけで、つまりはそういうことです。私のようにほぼ無言で観戦している人間は稀で、陸上競技の各種記録会はファンやスタッフ等関係者の熱い声援や声掛けによる飛沫散布がどうしても付きものです。現地に赴いての実況を楽しみにしている人間としては心苦しいのですが、しばらくはプロ野球よろしく無観客による実施が適当かと思われます。ファンとしては色々な意味で、上限撤廃まで様子見が吉でしょう。幸いにしてインスタグラムによるLive配信など新しい試みも増えてきています。様々な取り組みに期待しつつ、再び記録会が開催、ひいては現地で応援できる日が来ることを楽しみにしたいと思います。 追記:日本陸連の自粛要請を忘れてた …ということなので、6月末までは記録そのものが公認されないので再開は無いということになりますが、政府案の6月19日以降の1000人以下へスムースに移行し、かつ陸連からも自粛解除のアナウンスがあればという条件付きになるでしょうか。既に予定されている日程の中では、7月頭の順大・東海大・平国大記録会が鍵となりそうです。 ブログ内関連記事 全日本インカレ標準突破記録まとめ(8月15日現在) 関東インカレ標準突破記録まとめ(3月27日現在) ひいらぎ(青葉台) データ加工・分析の下準備 10人・16人平均の考察 選手の全成績を一覧で追うことの意義 « 前の記事へ 次の記事へ »