第98回箱根駅伝予選会 中央大学結果考察+全大学スプリットタイム表

第98回箱根駅伝予選会は終始波乱の展開となりましたが、例によって何度も録画再生をループをしつつ熱戦の余韻に浸っている今日このごろです。

本日は改めて、作戦通りの走りを遂行し見事2位通過を決めた中大各選手の記録について、細かく見ていきます。それだけではやや今更感は否めないので、昨年度に引き続き各大学のスプリットタイム表もおまけで付けておきます。

まず結果一覧

スタート~5km

5km地点(総合22位)    
順位定点間
順位
氏名タイム0-5km1kmラップ
88吉居 大和(2)0:14:490:14:4902:57.8
88中野 翔太(2)0:14:490:14:4902:57.8
204204阿部 陽樹(1)0:15:070:15:0703:01.4
204204手島 駿(4)0:15:070:15:0703:01.4
204204中澤 雄大(3)0:15:070:15:0703:01.4
217217三浦 拓朗(4)0:15:080:15:0803:01.6
305305田井野 悠介(3)0:15:180:15:1803:03.6
305305東海林 宏一(1)0:15:180:15:1803:03.6
305305森 凪也(4)0:15:180:15:1803:03.6
317317湯浅 仁(2)0:15:190:15:1903:03.8
317317助川 拓海(3)0:15:190:15:1903:03.8
317317山平 怜生(1)0:15:190:15:1903:03.8

スタートから吉居くん、中野翔くんが勢いよくスタートし、留学生にも食らいつく走りを見せます。この展開は昨年の吉居くん森凪くんの展開そのままのようでしたが、5km通過のタイムで見ると昨年より30秒ほども下回る入りでした。

事前の予報では良コンディションという報道もありましたが、実際に現地の様子を見る限りでは陽射しも風も強い様子。これらを考慮して、先頭を引く留学生の走りも例年より抑え気味だったように思われます。

一方、初出場や返り咲きを狙う大学を中心に、多くのチームが昨年同様の積極的な入りを見せたため、5km通過順位はトップ立教大を始めとしかなりカオスな展開となりました。

1.2km地点で後方集団6名をまとめる森凪くんの転倒、また前方集団4名も大集団の中で思うように動けず、いずれも想定よりやや遅い入りとなった模様です。

この時点での総合20位以下は、さすがにファンの皆様方相当焦ったものと思われます。

5km~10km

10km地点(総合9位)    
順位定点間
順位
氏名タイム5-10km1kmラップ
1517吉居 大和(2)0:29:360:14:4702:57.4
1919中野 翔太(2)0:29:370:14:4802:57.6
9044阿部 陽樹(1)0:30:050:14:5802:59.6
9044手島 駿(4)0:30:050:14:5802:59.6
9044中澤 雄大(3)0:30:050:14:5802:59.6
18594湯浅 仁(2)0:30:230:15:0403:00.8
18594助川 拓海(3)0:30:230:15:0403:00.8
139107三浦 拓朗(4)0:30:130:15:0503:01.0
185110田井野 悠介(3)0:30:230:15:0503:01.0
185110東海林 宏一(1)0:30:230:15:0503:01.0
185110森 凪也(4)0:30:230:15:0503:01.0
270246山平 怜生(1)0:30:440:15:2503:05.0

波乱の5km通過となった一方で、10km通過では集団が見事なビルドアップ走を見せます。前方集団は恐らく当初の想定通りのペースに、後方集団もゴールタイムを考えるとおそらく同様の3分1秒ペースへ伸ばしてきました。

この時点で山平くんは若干厳しそうだったのと、前方集団から三浦くんも少し遅れています。

集団走自体はかなりしっかりしている上、総合9位への急浮上で油断はできないがひとまず安心かなといったところでした。

10km~15km

Sponsored Link
15km地点(総合4位)
順位 定点間 順位 氏名 タイム 10-15km 1kmラップ
62 38 阿部 陽樹(1) 0:45:08 0:15:03 03:00.6
62 38 手島 駿(4) 0:45:08 0:15:03 03:00.6
62 38 中澤 雄大(3) 0:45:08 0:15:03 03:00.6
9 42 吉居 大和(2) 0:44:44 0:15:08 03:01.6
116 63 田井野 悠介(3) 0:45:33 0:15:10 03:02.0
116 63 湯浅 仁(2) 0:45:33 0:15:10 03:02.0
116 63 東海林 宏一(1) 0:45:33 0:15:10 03:02.0
116 63 助川 拓海(3) 0:45:33 0:15:10 03:02.0
116 63 森 凪也(4) 0:45:33 0:15:10 03:02.0
51 144 中野 翔太(2) 0:45:03 0:15:26 03:05.2
176 190 三浦 拓朗(4) 0:45:49 0:15:36 03:07.2
284 315 山平 怜生(1) 0:47:01 0:16:17 03:15.4

吉居くん、更に先頭集団を含め全体のペースが若干落ち着く中、前方集団は3名揃ってほぼ一定のペースで快走。後方集団も5名が崩れることなくしっかりとした足取りで走破します。

ただ、先頭集団で果敢にレースに挑んだ中野翔くんがここでペースダウン、前方集団ともほぼ変わらない位置で通過します。

すでに三浦くんと山平くんがかなり後退してしまったため、通過は問題ないにしても10名がどこまでポジションを守れるか正念場といったところでした。他方、集団走が素晴らしいペースで刻んでいる成果は着実に表れ、総合4位へ浮上し通過自体は問題なかろうという所まで来ました。

15km~20km

20km地点(総合2位)
順位 定点間 順位 氏名 タイム 15-20km 1kmラップ
12 11 吉居 大和(2) 0:59:37 0:14:53 02:58.6
35 28 阿部 陽樹(1) 1:00:11 0:15:03 03:00.6
38 32 中澤 雄大(3) 1:00:12 0:15:04 03:00.8
67 32 田井野 悠介(3) 1:00:37 0:15:04 03:00.8
67 32 東海林 宏一(1) 1:00:37 0:15:04 03:00.8
69 36 湯浅 仁(2) 1:00:38 0:15:05 03:01.0
42 37 手島 駿(4) 1:00:14 0:15:06 03:01.2
76 41 助川 拓海(3) 1:00:40 0:15:07 03:01.4
104 85 森 凪也(4) 1:01:02 0:15:29 03:05.8
80 120 中野 翔太(2) 1:00:41 0:15:38 03:07.6
169 169 三浦 拓朗(4) 1:01:50 0:16:01 03:12.2
287 279 山平 怜生(1) 1:03:38 0:16:37 03:19.4

ここから上位下位どちらへも転ぼうかという正念場ではありましたが、TVでは18km地点でも10名通過1位を報じ総合2位に浮上、ここで上位通過も確たるものとなりました。

先頭集団の吉居くんはまたペースアップして一時は先頭を引く積極的な走り。
前方集団3名、後方集団4名は全く崩れずイーブンで見事な走りを続けています。序盤転倒があった森凪くんもここまでよく粘ってくれました。中野翔くんの定点間の落ち込みも、後から見返せばなんとか耐えてくれているなという印象です。

20km~FINISH(1.0975km)

Sponsored Link
FINISH(総合2位)    
順位定点間
順位
氏名タイム20km-FINISH1kmラップ
138吉居 大和(2)1:02:510:03:1402:56.8
6113田井野 悠介(3)1:03:520:03:1502:57.7
3623手島 駿(4)1:03:300:03:1602:58.6
3228阿部 陽樹(1)1:03:280:03:1702:59.5
7842助川 拓海(3)1:03:590:03:1903:01.3
7442湯浅 仁(2)1:03:570:03:1903:01.3
7662東海林 宏一(1)1:03:580:03:2103:03.1
8271中野 翔太(2)1:04:030:03:2203:04.0
4071中澤 雄大(3)1:03:340:03:2203:04.0
107103森 凪也(4)1:04:260:03:2403:05.8
173227三浦 拓朗(4)1:05:220:03:3203:13.2
283266山平 怜生(1)1:07:140:03:3603:16.8

ラスト1.0975kmはスパート合戦。吉居くんの定点間上位のラストスパートは見事で、走り込みの成果をしっかり確認できました。

上位集団からは手島くん阿部くんが3分を切るペースでまとめます。驚いたのは後方でイーブンペースを刻んでいた田井野くん、チーム内2位の素晴らしいスパートで後方集団のトップでゴールイン。ゴール付近の強い向かい風の様子を考えると、この4名の走りは特筆すべきものと思います。

助川くんと湯浅くんはイーブンペースから全くぶれることなくフィニッシュ。東海林くんもきっちりまとめて63分台で帰ってきました。

中澤くん、中野翔くん、森凪くんも定点間タイムではわずかな差です。後者2名は落ちきらず粘りの走りを見せてくれました。

三浦くん山平くんはペースを上げられませんでしたが、主力の後退を全員でカバーする、かつ戦前の作戦が見事にはまった素晴らしい走りだったと思います。

最終結果(総合2位)

FINISH2(総合2位)  
最終
順位
氏名タイム1kmラップ
13位吉居 大和(2)1:02:5102:58.7
32位阿部 陽樹(1)1:03:2803:00.5
36位手島 駿(4)1:03:3003:00.6
40位中澤 雄大(3)1:03:3403:00.8
61位田井野 悠介(3)1:03:5203:01.6
74位湯浅 仁(2)1:03:5703:01.9
76位東海林 宏一(1)1:03:5803:01.9
78位助川 拓海(3)1:03:5903:02.0
82位中野 翔太(2)1:04:0303:02.2
107位森 凪也(4)1:04:2603:03.2
173位三浦 拓朗(4)1:05:2203:05.9
283位山平 怜生(1)1:07:1403:11.2
ペースの上げ下げや失速などもままありましたが、終わってみれば10番手の森凪くんも3分3秒ペースと充分なタイムでまとめてくれましたね。 集団走を最後まで堅持した選手が全員63分台でゴールしたのも素晴らしいです。

各定点間ラップまとめ

Sponsored Link

繰り返しになりますが、集団走の一切ぶれないペース配分はやや難コンディションの予選会において特筆すべき点でしょう。
序盤の転倒などアクシデントの影響もさほど感じさせないほどでした。

全大学スプリット表

おまけとして、全大学分のスプリット表をまとめましたのであげておきます。眺めているだけでもなかなか楽しいので、各種データ分析などにご活用下さい。

PDFから変換したフィニッシュタイムは実際はコンマ秒まで記録されており、厳密には(ラストの1kmラップを中心に)同順位の選手内でも差があります。あくまで手集計の参考程度に留めて頂けると幸いです。

また、昨年度の記事でおまけ2としてあげておりました、5kmずつ常に加速している選手は、今年度はいませんでした。この点からもコンディションの過酷さが伺えます。