いよいよ区間エントリー発表まであと2日足らずです。
のんびりしていたら旬を過ぎてしまったエントリー考察&予想について、全4回の最終回になります。本日は、入学後僅かな期間で上級生をも脅かす力を身に付けた1年生です。
伊東 大翔
まず、早くも台頭してきたスピードランナーの伊東くんです。
國學院久我山高からはありがたいことに定期的に進学の実績があります。
伊東くんは1年時から各種駅伝に主力として出走、最終学年時はスピードもありながら10kmまでもマルチにこなす選手として成長しました。
大学進学後も継続的にレースに出走し、少しずつ結果も出しつつあります。
単純な出走回数で言えば1年生の中で最も多く、しかも極端な失速は無いという安定感も見事です。
唐突な学連記録会DNSはちょっと驚きましたが、仕切り直しの日体大では10000m28分台へ突入。箱根路エントリーを掴み取ります。
予想区間
6区、7区、8区
正直伊東くんの区間は読めないのですが、本人希望が複数ある中で有り得そうなのが7区。スピードを存分に活かせると思います。
一方で、学連記録会のコール漏れは監督が厳しく見そうな出来事でしたが、それでもエントリーということでなにかあるのかなという見立てもできます。すると特殊区間のどちらかも候補に入ってきそうですが、伊那駅伝2区(高低差+40m)は苦戦気味でしたので5区かというと?という所です。
他方、希望区間の一つに5区が挙がっているのがまた何とも判断がつかない所。
高校駅伝4区の好走経験もありますし、可能性は高くないと思いますが6区は候補の一つにはなりそうかと思います。
また、4区好走+本人希望5区を併せて考えると、アップダウンは問題ないという判断かもしれません。或いは8区もあるのかなと。
繰り返しにはなりますが、一年生の中で最も安定してレースに出続けた実績は見逃せません。崩れない安定した走りが求められる後半区間を、うまく乗り切ってくれるものと思います。
園木 大斗
続いては、層の厚い1年生の中でも首脳陣の期待が高い園木くんです。
成績一覧はこちら。
93年入学、障害走が得意だった園木哲郎さんのご子息ですね。
高校時代からロードの強さに定評があり、強力な同期にも恵まれた3年時には、強豪・九州学院高の牙城を崩し都大路出場も勝ち取りました。同1区、都道府県5区をいずれも好記録で走破。
大学入学後も順調で、夏前の10000mTTで28分台に届こうかという記録を出したのは驚きました。
また、箱根予選会では10km以降厳しくはなりましたが、ハーフ62分台を狙う早い小集団の一角を形成。主力としての活躍を期待されていることがよく分かります。
予想区間
7区、8区、9区、10区
上述の通り客観的に見て首脳陣の期待の高さが伺えますし、学連記録会のコンディションや着順を考慮すると、その力は既にあるという認識です。復路特殊区間以外は全部行けるのではないかと思います。
距離の面を考慮すれば、他の候補者と共に7区8区出走を争うのが最もありそうでしょうか。
ロード巧者が順当にエントリーされました。あとは首脳陣の期待の高さを結果で示すのみですね。
既に記録会ではその片鱗が伺えますが、本戦でも成し遂げてくれることでしょう。
吉居 大和
大トリを飾るのは、いまや学生長距離界全体を見渡しても最注目なランナーの一人、吉居くんです。
成績一覧はこちら。
吉居くんのこれまでについては別記事に嫌というほど書いておりますので、是非そちらをご参照ください。
該当記事では高校卒業まで+ホクレンのU20記録まで触れておりますが、その後も順調でしたね。
調整走の10000m、大舞台の5000mやハーフマラソンと全てハイレベル。失敗らしい失敗は一レースたりともありません。
予想区間
1区、3区
監督の「2区向きではない」発言と、日本選手権5000mとの兼ね合いを考えれば、少なくとも今年度はこれ以外は考えにくいかと思います。より彼の特性が生きる方はどちらか、と考えるとそれもなかなか難しいところです。
予選会の10km-15km付近で周りに合わせた結果ラスト振り落とされた―という展開はそういう指示があったにせよ、超高速の1区で不発だった場合のパターンと酷似しそうな印象です。
終始自分のペースで走れそうな3区が良さそうな気はしますが、もし向かい風が強い予報の場合はまた話が違ってきそうです。
その場合は集団の叩き合いの末に、ラストで突き放すトラックで得意の展開に持っていけそうな1区が良いのかなと。
どちらへの、はたまた別区間となるかは首脳陣のベンチワークに任せるとして、まずは変則的なスケジュールで1年間やってきた中で、無事スタートラインに立ってくれればと思います。
そうすれば、大学長距離ファン誰もが待ち望んだパフォーマンスを、必ず発揮してくれるはずです。
予想区間まとめ
ということで、全4回にわたり予想をしてきた結果をここでまとめてみます。
1区 井上、三浦、森凪、千守、吉居
2区 三浦、森凪、千守
3区 加井、三須、井上、三浦、助川、千守、吉居
4区 池田、三須、三浦、千守、中澤
5区 畝、手島、中澤
6区 助川、若林、伊東
7区 池田、加井、川崎、三須、助川、千守、中澤、伊東、園木
8区 池田、畝、川崎、手島、中澤、伊東、園木
9区 池田、川崎、三須、手島、中澤、園木
10区 池田、加井、川崎、井上、中澤、園木
最早被りが多すぎてよく分からなくなってきましたが、往路の布陣については外向けへ発信されている情報が多いため、チーム状態が順当であればある程度固まってくるのではないでしょうか。
復路は適性もさることながら、直前の調子の見極めが何よりも大事そうですね。逆に言えば、調子が上がってさえいれば誰が走ってもやってくれそうな程に、選手層は充実しています。
前回大会10区二井くんのような見極めが成功すれば、目標達成は一気に近づいてくると思います。さあ、週明けには区間エントリーですね。