« 前の記事へ 次の記事へ » 全日本大学駅伝関東地区予選の中止-代替選考で何が起こるのかby live_ekiden2020年5月21日2020年5月22日 Post Views: 648 全日本大学駅伝関東地区予選会が正式に中止となりました。先日の関西地区予選会中止に引き続きの決定で、ある程度予想はしておりましたし已むを得ない判断ではないかと思います。 全日本大学駅伝の関東選考会中止 代替選考方法は調整中 #全日本大学駅伝 #関東選考会 https://t.co/8TFaeiBggE— スポーツナビ・陸上編集部 (@sn_gorin) May 18, 2020 【中止を受けて、代替の選考方法を現在、調整している。1997年までは選考会は開催されず、各校1万メートルの上位選手の合計タイムなどの書類選考で出場校が決められていた。】(上述記事より引用)…とのことで、本戦の開催も未だ不透明ではあるものの、先に代替の選考方法が決定されるかもな、という見込みでいます。これも先に発表があった関西地区と同様です。 「代替の選考方法」はどうなる 実は当方浅学にして、1997年まで上位選手の合計タイムによる選考が行われていたこと-自体を把握しておりませんでした。5/21付日刊ゲンダイの記事には、【関東学連の関係者によれば、出場予定者が昨年12月までに取得している1万メートルの公認記録を参考に決めることになりそうだ。】(同記事より引用)との記載があります。以下、シード校8校(東海大、青学大、駒大、東京国際大、東洋大、早大、国学院大、帝京大)以外の大学について、通常の出走が見込まれる上位8名の平均タイムを計算しました。 3種類の平均記録で見た場合 タイムは「まったり駅伝」様の選手別持ちタイムDBにて2017年~2020年入学者の値を打ち出し、平均した値です。その後日付データを選手個別リンクで確認の上、該当する/しない記録を入れ替えています。※山学大・国士大は留学生1名換算 今回の関東地区代表枠は7校で、該当校をオレンジセルにて色付けしています。場合分けによって「えっ、そうなるの…」と割合衝撃的なデータになったような気がしています。以下、個別に見ていきます。 現在のPB上位8名平均 上から順に中大・順大・日大・明大・中学大・創価大・山学大の順です。ただ上述のゲンダイの記事にもあるとおり、2020年明けて1~3月の記録会については換算されないという可能性があります。機会平等という点を考えれば已むを得ないでしょうか。 2019.12.31までのPBSponsored Link 同記事の「12月までの公認記録(=つまり自己最高記録・PB)」という記述をそのまま受け取れば、このような並びになります。上から順に日大・明大・中学大・順大・創価大・山学大・中大です。結構タイムや順序に入れ替わりが生じますが、上位7校の顔ぶれは同じです。6-8位のボーダーラインが恐ろしく接戦になっています。 2019.1.1~12.31までの資格記録 関東地区は、以前は予選会は行われず、前年1月1日以降の、10000m上位8名平均のタイムが良いチーム順に選考となっていました。考えられる一つの案ですが…今のところ、中大・順大・中学大・明大・日大・山学大・創価大あたりが有利ではあるのかな??— 箱根駅伝をフリーダムに語っている人 (@hakonankit) May 18, 2020 気になるのは、関東学連の他事業ではしばしば資格記録制を取っていることです。また、上記hakonankit様のツイートを信頼すれば、以前は全日本の選考も前年1月1日以降の資格記録制を取っていた…とのことです。おそらくですが前年1月1日から少なくとも予選会エントリーの直前までの記録会が資格記録の対象になっていたため、例えば昨年度だとエントリー直前の5月頭までの記録会が対象と想像できます。ゆえに今回の場合、前年1月1日から12月31日までというかなり限られた期間になるという懸念があります。その上で平均記録を見ると、タイムや順位にも入れ替えがある上、出場校ボーダーから中大が弾かれ日体大が滑り込むという形になります。この場合上から順に日大・中学大・明大・順大・山学大・創価大・日体大です。(※日体大の上位8名に該当する選手について、在籍しているか否か不明なため最後の一枠が更に入れ替わる可能性もありましたが、公式HPの発表により在籍確認がとれました。) 資格記録制の場合、19.11.30の寄与が大きいSponsored Link ファンとしては複雑な思いに駆られる結果となりました。ごく限られた期間の資格記録制の問題は、19年11月30日・日体大記録会と同11月23日学連記録会のコンディションの明暗に左右される部分が大きい点と個人的に思います。現地に赴いた方はよくご存知かと思いますが、前者は日の出ている8組付近からも微風で適度に涼しい良コンディション、かたや後者の特に前半組は暴風と強い雨で大荒れ。今回の集計に用いた大学の出走者内PBの平均値も有意な差が出ています。11/30日体大 29:08.60(39人、うち上位7校は24人)11/23学連記録会 29:22.88(34人、うち上位7校は15人)尤もこれは出走者にも大きく左右される値ですが、機会平等のために1~3月までの記録会を排除した上で、1つの記録会の出来不出来が大きな意味を持つというのは、あまり好ましくは無いと考えます。ただ「学内記録会と出走日の選択を同じ天秤にかけるな」という批判を受ければその通りですし、なんとも言えないところではあります。 全日本関東予選のエントリーは公認記録制 ゲンダイの記事も伊達に公認記録と書いているわけではなく、実際に全日本関東予選のエントリー表は公認記録制をとっています。参考:2019年最終エントリーこれは、関東インカレや箱根駅伝予選会が資格記録制を取っているのと対象的です。また、箱根駅伝本戦もエントリー一覧は公認記録です。この辺りの違いはよく分かりませんが、さじ加減一つで関係する大学の明暗が大きく分かれる結果になりそうなことは確かです。そもそもですが、上位8名平均というのも状況からの推察でしかありません。実際、上位10名ないし12名・16名となればまた大きく変わってきます。 まずは開催されることを祈るのみSponsored Link とはいえ、選考会の代替についてはどのような手段を取ったとしても何かしらの不公平感が生じるのは避けられず、我々外野が口を出しても仕方ないことです。まずはいち駅伝・学生長距離ファンとして、無事大会が開催されることが何よりの願いです。※ 記録集計のエクセル表が大きな意味を持ちますので、アップしておきます。間違い等あればご指摘ください。 ブログ内関連記事 吉居大和選手の(小)中学~高校~大学在学時の主要大会結果をまとめる 全日本インカレ標準突破記録まとめ(8月15日現在) 関東インカレ標準突破記録まとめ(3月27日現在) ひいらぎ(青葉台) 選手の全成績を一覧で追うことの意義 « 前の記事へ 次の記事へ »