« 前の記事へ 次の記事へ » 箱根駅伝の当日選手交代枠が4人→6人へ変更by live_ekiden2020年12月1日2020年12月1日 Post Views: 551 箱根駅伝の選手交代枠が4枠→6枠への増となりました。選手エントリーが16名、区間エントリーが10名という枠内でのことなので、事実上当日まで全てのエントリー選手へ出走の可能性が広がったことになります。 全体としては歓迎すべき変更・・・という認識ですが、思いつくだけでも幾つかの良い点・懸念すべき点などが頭の中に浮かんでいます。 せっかくの機会なので、思いつくままに記してみます。 変更の概要 来年1月2日、3日に開催予定の第 97 回箱根駅伝より、・メンバー変更は正選手と補欠選手との入れ替えのみとし、6 名までとする。なお、1 日に変更できる最大人数は 4 名までとする。また、区間変更は認められない。※ 以上、関東学生陸上競技連盟公式HPより引用 箱根駅伝の当日変更が4人から6人に拡大 https://t.co/d9KIcSfuwV #箱根駅伝 #スポーツ報知 pic.twitter.com/4vPBzlPD1P— スポーツ報知・箱根駅伝情報 (@hochi_hakone) December 1, 2020 良い1.アクシデントへの対応が容易になる コロナ禍における対応という意味で、当然歓迎される変更です。また、区間エントリー後の体調・コンディション不良等も当然起きるはずですが、これまでの交代枠だと事前に把握しつつも出走しなければならない…という場面が幾つかあったように思います。交代枠の増加により調子や状態の見極めが直前まで可能となり、直前対応は勿論、同時に当日出走時の予期せぬアクシデント発生の防止にも繋がりそうです。 良い2.区間配置の戦略幅が広がる これまでは事実上不可能だった往路3人変えが可能になるなど、戦略の幅の広がりが予想されます(これまででも可能だが、まずアクシデントを第一に疑われる)。往路3人変更を行っても、まだ復路も同様に最大3人変更可能となるので、往路当日だけでなく、往路終了時の状態を受けて更に戦略的な配置を練ることができると思われます。 良い3.全ての大学の最大級のパフォーマンスが期待できるSponsored Link 1.と2.共に繋がりますが、16人の中から最も状態の良い選手の出走-がこれまで以上にやりやすくなり、状態の見極め含めたベンチワークがはまれば、各大学の最も優れたパフォーマンス同士を戦わせることができそうです。近年の技術革新や選手の能力上昇も相まって、記録の向上もますます期待されます。 良い4.29日以降も出走可能性が排除されない これまでは、12月29日の区間エントリーで補員4名に入れなかった2名は、その時点で出走の可能性が完全に絶たれていました。選手にとっても、復路メンバー変更提出の瞬間まで出走可能性が排除されないのは喜ばしい変更と考えます。 懸念1.事前区間エントリーの醍醐味がやや失われるSponsored Link 良い点と表裏一体かと思いますが、変更枠が多いがために区間エントリー時点ではレースの全容が全く見えてこないという可能性があります。特に交代枠を目一杯使う前提で、強かに戦略を練るような大学では尚更でしょう。 懸念2.重要区間の事前配置が様子見ばかりになる 上記にもう少し踏み込んで述べますが、私は重要区間、特に1区が様子見ばかりになってしまうのではという点を危惧しています。・六郷橋以降の展開如何では例年大きな差が付くその割に、・総合順位には大きく寄与するというわけではない、・しかしながら流れを考えれば重要で、・エース級を持ってこないで済むなら越したことはないが、・とはいえ他校がエースを投入して飛び出したらば…などと、素人の私が普通にこんなことを考えるくらいですから、逆に正直に出走予定の選手を置く大学が何校あるのか?という点が気になるくらいです。もし上記の懸念がそのまま当たってしまうと、今後1区事前エントリー→事実上の補員という烙印を押される羽目にもなりかねません。この点は、10日を経て29日の区間エントリー、そして当然往路の展開を見てからじっくり検証したいと思います。 懸念3.区間配置の妙が失われるSponsored Link これも良い点と表裏一体ですね。何と言ってもこれまでの4人交代枠…というのは絶妙な数字だったと個人的に思います。復路へのアクシデント対応を考えると、何も無ければ普通は往路変えても2人という暗黙のルールがある…。そんな中、最大2人変更であったとしてもなお往路の半数以上は事前配置の選手が走る…ということで、ファン目線で言えば事前配置と事後配置のバランスが最も優れている数字ではないかと認識しています。ここも大会が実施されたとして、良い点悪い点どちらに転ぶかは見極めが必要そうですね。 懸念4.被変更選手へのケアがこれまで以上に必要 個人的に最大の懸念点だと思います。上述の「選手にとって、復路メンバー変更提出の瞬間まで出走可能性が排除されない」ということはすなわち「復路メンバー変更提出の瞬間まで交代可能性も排除されない」ことを意味するわけでして。毎年この交代枠を巡っては、SNSで漏れ聞こえてくる選手たちの悲喜こもごもを追うだけでも心に来るものがあります。選手からすれば、変更される前提で配置されるなどたまったものではありません。私がここ数年区間配置予想を妄想はしても、選手の目に触れる所に絶対書かないのはそういった理由もあってのことです。勝負に徹する非常さと、学生スポーツの枠組みという二律背反な命題にどう立ち向かうのか、という点でも気になります。失礼を承知で申し上げれば、近年の上位校は結構ここを嫌らしく強かに使ってきそうな印象です。 どうなるか楽しみではある そもそもの変更目的は新型コロナ対応を想定してのことでしょうから、上述の戦術的な面をあれこれ言うのは邪推かもしれません。とはいえ、箱根駅伝の長い歴史を踏まえても重要かつ大きな変更であることは間違いないでしょう。まずは無事開催されることを祈りつつ、ファンとしてどのような効果がもたらされるのかを楽しみに待ちたいと思います。 ブログ内関連記事 学生長距離界ヘッドライン(2020/10/13~10/19) 学生長距離界ヘッドライン(2020/10/20~10/27) 2020年度大学長距離界トップランナーの進路が発表 データ加工・分析の下準備 10人・16人平均の考察 第97回(2021)箱根駅伝予選会エントリー一覧・平均記録及び標準偏差 « 前の記事へ 次の記事へ »