2023年度中央大学陸上部スポーツ推薦合格者が発表

今年も待ちに待った新入生発表時期がやってまいりました。
このようなご時世の中、特に都大路前に毎年公にして頂けることに深く感謝したいと思います。

また、新入生の皆様に置かれましては合格誠におめでとうございます。貴重な4年間が全ての選手に対し実りあるものになるよう祈念しております。

以下、長距離ブロック合格者に絞って恒例の新入生紹介を行います。
選手のPBや実績は各種サイトを参考にした手元調べ(+本日付)ですが、もし間違いや抜け等あればご指摘頂ければと思います。

参考:昨年の記事
一昨年の記事

5000m 13:57.02 (22/12/04 世界クロカン代表選考)
1500m 03:55.62 (22/07/23 京都府高校記録会)
3000m 08:22.36 (22/07/29 京都府高校記録会)
3000mSC 08:58.14 (22/06/04 京都府高校選手権)
10km 29:48 (22/10/09 日本海駅伝)

第72回全国高校駅伝 6区5.0km6位 14:36 (21/12/26)
春の高校伊那駅伝2022 2区7.52km17位 23:55 (22/03/20)
京都府高校駅伝2022 3区8.1075km1位 24:37 (22/11/06)
第73回近畿高校駅伝 1区10.0km1位 30:11 (22/11/27)

今年度5000m持ちタイムトップは柴田くん。洛南高校からは佐野くん・溜池くんに続いての進学です。

名門・桂中在学時に全中駅伝区間賞・都道府県駅伝区間新(2位)など早くから実績豊富、洛南高進学後も特に2年時は伊那駅伝区間賞・インターハイ・都大路など大活躍でした。そこから記録の上では若干足踏みした時期もあったようですが、今年10月以降は5000mPB、府・近畿駅伝区間賞、そして再度の5000mPBで13分台突入と本来のポテンシャルを遺憾なく発揮、勢いに乗っています。

持ちタイムトップかつ3000mSCの好記録持ちという選手は久々で、棟方さん山下さん辺りまで遡るでしょうか。先輩たちはいずれも箱根路を沸かせた名ランナーに成長しました。同様の成長を期待したいと思います。

5000m 13:57.51 (21/12/05 日体大)
1500m 03:45.72 (22/10/08 東海大)
3000m 08:11.63 (22/07/29 U20日本選手権)
10000m 29:47.61 (21/11/20 関東高校駅伝)
10km 29:27 (22/11/19 関東高校駅伝)

第72回全国高校駅伝 4区8.0875km7位 23:39 (21/12/26)
第73回東京都高校駅伝 1区10.0km1位 30:39 (22/11/03)
第75回関東高校駅伝 1区10.0km2位 29:27 (22/11/19)

続いては今年も安定の久我山ブランドから、エースの鈴木くんです。
つい先日までは5000mPBトップでしたね。その記録は2年時冬の日体大にマークしたものでしたが、非常に良い選手が出てきたなという印象でした。

更に今年度に入ってからの鈴木くんは、スピード・距離・安定感とどれをとっても素晴らしいの一言です。柴田くん同様特に10月以降は絶好調。5000m14分1桁のレースが立て続けに3回、1500mを走っては3分45秒台のスピード、都・関東駅伝は最長区間を好記録で走破、おまけに5000m×2本の翌日に奥多摩駅伝アンカーで区間新と、こちらが心配になるくらいレースに出つつも結果を残しています。短期間で複数ピークを作ることを重んじる、現在の中大の指針にもフィットしていますね。

記録のバランスのみ注視すれば、昨年度同時期の溜池くんの印象に近いランナーです。1年時からの活躍も十分にあり得るのではないでしょうか。

5000m 13:59.95 (22/10/02 日体大)
1500m 03:52.60 (22/05/29 東海大)
3000m 08:26.34 (22/04/02 国士大)
3000mSC 09:08.27 (22/06/20 関東高校)
10km 30:44 (22/11/01 埼玉県駅伝)

第72回全国高校駅伝 4区8.0875km12位 23:52 (21/12/26)
春の高校伊那駅伝2022 4区9.1km10位 27:30 (22/03/20)
令和4年度全国高校総体3000mSC決勝6位 09:10.84 (22/08/07)
第73回埼玉県高校駅伝 1区10.0km4位 30:44 (22/11/01)
第75回関東高校駅伝 4区8.0875km4位 24:19 (22/11/19)

本間くんは北海道出身、同期の強い選手を追って埼玉栄高へ単身越境入学、その後は同校の主将を務めるほどの胆力を持った選手です。この時点で藤原監督以下スタッフが好みそうな、天晴れな人間力と言えそうですね。

3年時全中1500mは5位入賞、奇しくもそのすぐ後ろでは鈴木くんがフィニッシュ。多数の種目に渡るPBはいずれも今年度マークしたもので、オールマイティな活躍を見せています。新聞記事にもある通り、常に高い意識で競技に臨んできたことの証左と言えるでしょう。チーム事情で10km区間を走ったこともありますが、どちらかと言えば現在はスピード区間向きでしょうか。都大路でも7区6位・4区12位と非常に安定しています。

栄高ではレベルの高い同期に恵まれ、特に2年時から記録を一気に伸ばしてきました。長めのロードレースで一つ突き抜ける結果が出ると、ブレイクする予感がします。

藤田 大智 (西脇工業)

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5000m 14:04.51 (22/12/03 日体大)
1500m 03:49.40 (22/06/17 近畿高校)
3000m 08:20.22 (22/04/10 岩国)

春の高校伊那駅伝2022 3区7.2km44位 24:36 (22/03/20)
令和4年度全国高校総体1500m決勝12位 03:50.30 (22/08/04)
男子第77回兵庫県高校駅伝 2区3.0km1位 08:32 (22/11/06)
第73回近畿高校駅伝 6区5.0km1位 14:40 (22/11/20)

西脇工業からは三浦選手以来となります、現キャプテン藤田くんです。
IH1500m決勝に進んだこともありスピードランナ―のイメージが強いですが、記録だけを追ってみると高3で初の3分台に突入し、近畿総体では予選でPBの上、更に決勝では覚醒といった様相での3分50秒切でした。

他方で5000mは早いうちから14分30秒台に突入し、5km区間を中心に駅伝でも好走を見せています。先日の日体大5000m5組では、軽やかな走りでPBを大幅更新。今期の層の厚い西脇工業の中にあって、チーム3番手の記録を要するほどに成長しました。大学ではどの距離に軸を置くのかは分かりませんが、この成長曲線を見るとどちらでも面白いと思います。

急成長を遂げた今期秋シーズンを越えて、都大路はどういう走りを見せてくれるか楽しみです。

※藤田くん・山﨑くんは12/5の日体大を共通の動画として活用ください。

5000m 14:05.22 (22/12/03 日体大)
1500m 03:52.66 (21/05/31 山口総体)
3000m 08:13.17 (21/09/14 山口ナイター)
10km 30:16 (22/11/06 山口県駅伝)

第72回全国高校駅伝 3区8.1075km21位 24:41 (21/12/26)
春の高校伊那駅伝2022 1区7.98km23位 23:56 (22/03/20)
令和4年度全国高校総体1500m予選1組9位 03:55.27 (22/08/03)
令和4年度全国高校総体5000m予選1組9位 14:35.78 (22/08/05)
山口県高校駅伝 1区10.0km1位 30:16 (22/11/06)
第64回中国高校駅伝 3区8.1075km4位 24:31 (22/11/20)

西京高のエース山﨑くん、皆さんご存知「強いメガネランナー」阿部くん以来の進学となります。

山﨑くんは、先に挙げた鈴木くんに負けじ劣らず連戦をこなしています。今期の5000m出走は手元調べで9本、各種高校駅伝や総体1500mなど大事な試合も他に多数ある中、月イチ5000m出走とは全く恐れ入ります。タフなランナー、という意味でも阿部先輩への共通点を感じますね。西京高出身者が総じてタフというわけでは無いのでしょうが…。

中距離から長距離までこなすマルチランナーで、持ちタイムから言えば当時の先輩に傾向がかなり似ていますし、大学の環境にフィットすれば早いうちからの活躍も見込まれる選手と思います。順当であれば出走するであろう都大路1区、どれくらいのポジションで運んでくれるか楽しみですね。

 

佐藤 蓮 (仙台育英)

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5000m 14:10.78 (21/11/14 日体大)
1500m 03:53.42 (21/04/24 日体大)
3000m 08:10.47 (22/06/12 U20日本選手権)
10km 30:00 (21/11/11 東北高校駅伝)

第72回全国高校駅伝 7区5.0km2位 14:23 (21/12/26)
宮城県高校駅伝 4区8.0875km1位 23:43 (22/10/29)

仙台育英高との縁もだいぶ深く、今年も柱の一人である佐藤蓮くんが進学を決めてくれました。傍目に見ても非常に軽やかな、気持ちの良い走りをしてくれる選手です。直近では都大路7区2位の快走が印象深いですが、それに加え2年時の東北高校駅伝や今年の県駅伝など、特にロードレースでは非凡な走りを毎回見せてくれます。

今期は前年よりやや出走数が限られたのもあり、トラックPBは2年時のものが多く残ります。が、持っているポテンシャルは更に上であると確信しています。今期唯一のトラックPB、U20日本選手権の3000mは彼の持ち味を遺憾なく発揮してくれた好レースでした。

5000mは14分10秒台~の安定的な結果が続いていますので、1つ突き抜けるレースがあれば飛躍の時は近いと思います。まずは得意のロードレース、出走区間も含めて最後の都大路に期待です。

5000m 14:13.23 (20/09/26 いちのせき)
1500m 03:48.74 (22/08/04 全国総体)
3000m 08:57.23 (19/07/15 南信選手権)
10000m 33:12.74 (22/06/27 福島県選手権)
10km 29:53 (21/11/11 東北高校駅伝)

第72回全国高校駅伝 5区3.0km2位 08:10 (21/12/26)
令和4年度全国高校総体1500m決勝10位 03:48.74 (22/08/04)
福島県高校駅伝2022 2区3.0km1位 08:26 (22/10/20)

学法石川高校からは、中澤先輩との入れ違いで小田切くんが進学です。
長野・宮田中時代の全中駅伝は2区区間賞、30位からのスタートで3位まで順位を押し上げています。同年度の都道府県対抗駅伝優勝メンバー(2区3位)でもありますね。

PBの5000m14分13秒はなんと1年時の記録、14分台が全国一多いとも言われる学法石川高にあって、1年時から駅伝の長距離区間を任されるほどの選手です。2年時の東北高校駅伝では10kmを30分切の区間賞で走破、都大路のショート区間でもしっかり仕事を果たします。

今年度は一転1500mに注力し、IH決勝でも見事PB更新を果たします。春先を除いて出走はほぼほぼ1500m、県駅伝でも2区3.0kmを担当し、ひょっとしたら競技の軸足を中距離に置く選択もあるかもしれません。

個人的には2年時の10km区間賞の衝撃が中澤先輩そのままで、学石出身らしいロード職人の芽も…と思います。しかし、先に述べてきたように非常に高いポテンシャルを持っており、どの距離を主戦場においても活躍してくれると思います。本人の選択も含め、今後の活躍を見守っていきたいところです。

伊藤 春輝 (川崎市立橘)

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5000m 14:16.27 (21/06/19 南関東総体)
1500m 03:53.47 (21/09/19 神奈川高校新人)
3000m 08:23.41 (21/11/20 関東高校駅伝)
10km 30:21 (21/11/07 関東高校駅伝)

春の高校伊那駅伝2022 1区7.98km3位 23:12 (22/03/20)
令和4年度全国高校総体5000m予選3組9位 14:33.23 (22/08/05)
神奈川県高校駅伝2022 1区10.39km2位 32:59 (22/11/03)
第75回関東高校駅伝 2区3.0km1位 08:19 (22/11/19)

市立橘の今期2大エースの一角、伊藤くんを紹介します。噂があった時期から、まさかこの位置で紹介するとは思っていませんでした。伊那駅伝での市立橘は1区2区でエースを起用、一時は2位を走る快走を見せていましたが、スターターを担ったのが伊藤くん。良い選手だな~と思った記憶があります。

残っている中学時代の記録は駅伝出走のみ、おそらくほぼ知られてない存在に見えましたが、高校進学後一気に才能が開花。1年時から県駅伝1区をずっと担い、走る度に記録やポジションを上げてきました。今期の高校駅伝も優勝候補と秒差でタスキリレーと仕事を果たし、悲願の都大路出場を自らと仲間の手で勝ち取りました。

もちろん市立橘高も力のあるチームとは思いますが、いわゆる私立の強豪高ではない環境でこれだけ強くなった選手。チーム全体の力も彼が引き上げていったであろうことは、想像に難くありません。先輩でいうと白川くんの入学前の印象に近いですね。
入学後の環境にフィットすれば、早いうちから活躍する可能性を秘めていると思います。

5000m 14:22.43 (21/12/05 日体大)
1500m 03:48.01 (22/07/16 ホクレン千歳)
3000m 08:17.51 (22/09/10 ディスタンストライアル)

令和4年度全国高校総体1500m決勝14位 03:51.97 (22/08/04)
第75回全道高校駅伝2022 3区8.1075km2位 24:05 (22/10/09)

東海大札幌からは後藤くん、今期のチーム若林を献身的にサポートしてくれた藤村くんの後輩にあたります。後藤くんも、例年ですとこの位置で紹介する選手とはとても思えません。

既にスポーツ紙で報じられている通り、中学時代は生粋の野球少年。県中学駅伝などの出走歴も見当たりませんが、マラソン大会出場をきっかけに高校から陸上の世界へ飛び込みます。

2年時の春に3000m9分台の壁を突破すると、立て続けに1500mも3分台へ。道駅伝4区区間賞や5000m14分20秒台など大きく飛躍します。

3年時は道総体1500mを大会新記録で優勝、ホクレンでは遂に3分40秒台に突入します。
後藤くんも今期5000m出走11回と恐ろしくタフな選手です。記録のばらつきは鈴木くん山﨑くんよりも目立ちますが、これも含め彼の伸びしろであろうと思います。インターハイ1500mファイナリストですが、中距離専念でなく三大駅伝を狙っているようですね。より高いレベルの中で大きく成長して欲しいと思います。

5000m 14:27.94 (22/04/09 絆記録会)
1500m 04:11.04 (21/04/11 国体予選)
3000m 08:38.6 (21/05/29 国体予選)

第72回全国高校駅伝 2区3.0km24位 08:28 (21/12/26)
茨城県高校駅伝2022 4区8.0875km1位 24:01 (22/10/27)
第75回関東高校駅伝 3区8.1075km11位 24:27 (22/11/19)

最後に紹介する助川颯くんは、ご存知現4年生助川拓海くんの弟さんです。進学の有無はさておき、フォロワーの皆様方も出走の様子や動向を常に気にかけていたのではないでしょうか。吉居兄弟や伊東兄弟など、良いイメージを持って進学が続いてくれるのはとても嬉しいですね。

助川颯くんの持ち味はロードレース。特に県駅伝での走りは印象深いです。2年時の6区区間新、3年時の4区区間新、いずれの結果もエース欠場や大幅ビハインド等で危機に陥ったチームを救う正に快走でした。特に2年時は当時の5000mPBを超える記録で5kmを走破しており、大変面白い選手だと思った記憶がしっかり残っています。

一方で、快走のイメージを強く持って次戦を見守るとあれっという記録になったりする…ことも。この印象は入学前の浦田くんに近いです。現チームが重視している短期間のピークづくりが彼にフィットすれば、爆発的な走りが安定して発揮できるかもしれません。そうなる可能性も秘めており非常に楽しみな選手です。

応援のお供にご活用ください

高校長距離界全体のレベルアップを加味しても、今年度に引き続き来年度も13分台3名進学というのはこれまでにない出来事です。記念すべき100回大会箱根路への目標達成や、それだけでない長い歴史に裏付けられた伝統を紡ぐ大きな力になってくれるものと確信しています。

記録の推移は一見ただの数字の羅列ですが、選手たちの努力の結晶です。そこから読みとれることは多々あります。よって、選手たち一人ひとりの過去の記録を追ってかつ情報としてまとめる作業はなかなかに骨が折れますが、意義のあるものと考えております。

あくまで主観的なフィルタを通した情報の可視化ではありますが、このまとめが皆様のさらなる応援の一助になることを願ってやみません。