出雲駅伝のチームエントリーが9/20に締め切られ、スポーツ紙やInstagram等で少しずつ情報が解禁されています。
10/3遂に全チームのエントリーが発表されました。ここでは関東地区代表校に絞って、5000mの持ちタイム上位6名平均の早い順にエントリーの雑感を書いていきます。
※10/10最終区間エントリー反映しました。
駒澤大学
前回5位
第98回箱根3位
上位6名平均 13:34.45
10名平均 13:45.65
上位6名標準偏差 00:10.81
10名標準偏差 00:16.64
田澤 廉 (4) 13:22.60 前回6区2位
円 健介 (4) 13:48.67
山野 力 (4) 13:47.67
鈴木 芽吹 (3) 13:27.83
花尾 恭輔 (3) 13:51.89 前回3区4位
安原 太陽 (3) 13:37.01 前回2区3位
吉本 真啓 (2) 14:07.59
伊藤 蒼唯 (1) 14:09.16
佐藤 圭汰 (1) 13:22.91
山川 拓馬 (1) 14:01.21
傍目には完璧なエントリーといかなかったようですが、鈴木くんの復帰や期待のルーキー佐藤圭くん伊藤くんなど明るい材料もあります。優勝を狙うチームとしては取りこぼしの区間は無いようにしたいところ。篠原くん唐澤くん赤津くん佐藤条くんなど、前回の三大駅伝経験者を中心に外れているのは少し気がかりです。
それでも6名平均はぶっちぎりのトップ、充実の戦力で三大駅伝初戦へ臨みます。
花尾-佐藤圭-田澤-山野-安原-鈴木芽
補:伊藤、山川
鈴木くんがアンカーへ。完全復調での起用を示唆されていますので、この戦力ならばやはり強いか。3区田澤くんで抜け出せばそのまま一気にもあり得ますね。
中央大学
前回-
98回箱根6位
上位6名平均 13:42.14
10名平均 13:48.78
上位6名標準偏差 00:08.41
10名標準偏差 00:10.52
千守 倫央(4) 13:58.13→13:49.41
若林 陽大(4) 13:59.08
中野 翔太(3) 13:43.53→13:39.94
湯浅 仁(3) 14:07.76→13:58.32
吉居 大和(3) 13:25.87
阿部 陽樹(2) 13:55.57
東海林 宏一(2) 14:01.97
山平 怜生(2) 13:51.20
溜池 一太(1) 13:47.88→13:46.16
吉居 駿恭(1) 13:43.22→13:40.26
※個人ページへのリンクを貼っています。
事前の監督コメントからスピードランナーを揃えて戦う旨コメントがあったように、各学年から2名以上バランスよく、ほぼ万全なエントリー。また、エントリー後の記録会で半数の選手がPB更新、更に一回り逞しくなりました。
吉居大くんの短期離脱以外はチームとしても順調な様子が見えます。注目はその吉居大くんの出走有無に加え、ここまで絶好調の千守くんの起用区間。個人記録や平均・偏差が示すように、スピードランナーがその力を充分に発揮すれば、久々の出雲路戦線をかき回してくれる力が必ずあると思います。
吉居大-千守-中野翔-阿部-溜池-吉居駿
補:若林、湯浅
最も可能性の低いと思っていたアンカーに吉居駿くんを起用。
アップダウンとはいえ10km前後の距離であればもちろん安心して見ていられます。7割程度という吉居大くんが、監督もびっくりするようなパフォーマンスを見せてくれるかどうか。ただここで抜け出せなくとも充分チャンスはあります。
青山学院大学
前回2位
98回箱根1位
上位6名平均 13:42.61
10名平均 13:46.65
上位6名標準偏差 00:04.56
10名標準偏差 00:06.31
近藤 幸太郎(4) 13:34.88 前回1区1位
中村 唯翔(4) 13:45.82
宮坂 大器(4) 13:52.15
目片 将大(4) 13:37.93 前回5区6位
横田 俊吾(4) 13:46.81 前回6区3位
志貴 勇斗(3) 13:53.59
山内 健登(3) 13:46.25
田中 悠登(2) 13:56.25
鶴川 正也(2) 13:43.96
野村 昭夢(2) 13:48.83
圧巻の全員13分台エントリー。また6名・10名どちらで見ても記録のばらつきの小ささは特筆すべきものがあります。絆記録挑戦会でも、一部選手の姿が見えなかったものの仕上がりの良さをアピールしていました。
これでもまだ岸本くん佐藤一くん若林くん等々、主力者前回出走者が外れているから驚きです。調子を上げてきたエース近藤くんや中村くんなどが軸になるでしょうか。前回1区1位の近藤くんの出走区間が気になりますね。どのようなオーダーでも必ず優勝争いに食い込んできそうです。
目片-横田-近藤-志貴-田中-中村
補:山内、野村
事前エントリーで鶴川くんが外れて当日も2選手変更。
前回経験者はしっかり入り、エース近藤くんも猛者集う3区へ揃えてきました。誰が出ても穴がないことに変わりはなく、調子をしっかり合わせてくればやはり優勝候補の一つと思います。
東京国際大学
前回1位
98回箱根5位
上位6名平均 13:44.21
上位10名平均 13:52.69
上位6名標準偏差 00:14.03
上位10名標準偏差 00:15.29
イエゴン ヴィンセント(4) 13:15.15 前回6区1位
丹所 健(4) 13:46.17 前回3区2位
堀畑 佳吾(4) 14:02.14
村松 敬哲(3) 13:54.79
林 優策(3) 14:03.45
川端 拳史(3) 14:13.09
白井 勇佑(2) 13:41.40 前回4区5位
冨永 昌輝(2) 13:57.50
牛 誠偉(2) 13:50.28
木村 海斗(2) 14:02.92
出雲路連覇を狙う東京国際大ですが、山谷くん佐藤くん宗像くんと優勝メンバー3名が外れました。前回は全員区間5位以内と、アンカーヴィンセントくんに頼らない全員駅伝を体現。事前の記録会ややうまくいかなかった選手もいますがメンツは充分に揃っていますので、前回のような流れに持ち込みたいところです。
例え前回ほどスムースにいかなくとも、最終区で30秒差程度なら逆転可能という心理的アドバンテージは大きいですね。
冨永-白井-丹所-川端-堀端-村松
補:ヴィンセント、林
3区ヴィンセントくんが驚きの当日変更。アクシデントでしょうか。
冨永くんの滑り出し次第では好位置を狙えそうですが、どこまで耐えられるか。流石に優勝予想はし辛いですが・…。
順天堂大学
前回10位
98回箱根2位
上位6名平均 13:45.98
10名平均 13:56.37
上位6名標準偏差 00:11.66
10名標準偏差 00:15.83
伊豫田 達弥 (4) 13:43.71 前回1区5位
四釜 峻佑 (4) 13:52.90 前回6区4位
西澤 侑真 (4) 14:08.26
野村 優作 (4) 13:40.49 前回3区16位
石井 一希 (3) 13:46.94 前回5区4位
内田 征冶 (3) 14:09.12
三浦 龍司 (3) 13:26.78
油谷 航亮 (2) 14:11.70
堀越 翔人 (2) 14:18.79
石岡 大侑 (1) 14:05.05
前回2区好走の平くんが外れましたが、三浦くんは順当にエントリー。ダイヤモンドリーグ後から出走有無が注目されていますが、短い区間なら合わせなくても爆走してくれそうな予感があります。
どこかの区間で飛び出せれば、あとは分厚い選手層で守りきれるか。前回出走者も全員更に強くなっています。順当に運べば昨年以上の位置は間違いないはずです。
野村-三浦-伊豫田-油谷-西澤-四釜
補:石井、石岡
2区に入った石井くんそのままかと思いきやここに三浦くんですか。
繋ぎ区間を凌げばアンカー四釜くんは安定。2区飛び出しの展開にもっていければ前回以上の順位は間違い無さそう。
東洋大学
前回3位
98回箱根4位
上位6名平均 13:50.93
10名平均 13:57.84
上位6名標準偏差 00:07.41
10名標準偏差 00:11.03
前田 義弘 (4) 14:05.72 前回3区6位
児玉 悠輔 (4) 13:55.22 前回1区7位
奥山 輝 (3) 13:51.17 前回2区9位
佐藤 真優 (3) 13:58.72
吉田 周 (2) 14:13.93
石田 洸介 (2) 13:34.74 前回5区1位
甲木 康博 (2) 13:55.80
梅崎 蓮 (2) 14:14.50
西村 真周 (1) 13:55.92
緒方 澪那斗 (1) 13:54.45
昨年の全日本大学駅伝で苦杯をなめてからは、関東インカレ・全日本予選等で強い東洋大の存在感が大いに発揮されています。
松山くんや九嶋くんなど一部経験者が外れましたが、強力な2年世代を中心に今回も良いエントリーが組めたと思います。
石田くんの調整がどこまで進んでいるかは気がかりです。前回の5区1位は上位進出へのポイントとなる走りでしたが、順調であれば主要区間でしょうか。個人的には男鹿駅伝最終区で快走を見せた吉田くんに注目しています。
児玉-甲木-石田-佐藤真-前田-吉田
補:奥山、西村
意外にも2年生以上のみのオーダーとなりました。梅崎くんや緒方くんは調子落ちでしょうか。石田くん3区、前回3区前田くんを5区とで勝負を仕掛けていますね。特に5区は前回のポイント区間、指揮官の意図的配置であればかなり強そう。
國學院大学
前回4位
98回箱根8位
上位6名平均 13:52.45
上位10名平均 14:01.00
上位6名標準偏差 00:09.39
上位10名標準偏差 00:13.64
坂本 健悟(4) 14:27.09
川崎 康生(4) 14:08.59
中西 大翔(4) 13:38.45 前回4区2位
藤本 竜(4) 14:09.67
伊地知 賢造(3) 14:09.88 前回5区2位
平林 清澄(2) 13:55.30 前回6区5位
山本 歩夢(2) 13:46.92
上原 琉翔(1) 13:56.84
嘉数 純平(1) 14:08.61
青木 瑠郁(1) 13:48.61
ほぼ穴のないエントリーが組めたのではないでしょうか。主要区間を経験者、その周囲を上級生や初出走者が固めるオーダーが予想されます。経験者がこの1年主要大会で結果を出し、更にパワーアップしたのも強みですね。
5000mの平均タイムだけ見ればこの位置ですが、上位戦線を賑わしてくれそうな存在です。
青木-山本-平林-中西大-藤本竜-伊知地
補:坂本、上原
順当なエントリーに続き順当な区間配置。これができるチームは相当強いですね。2-3-4区の並びは強烈で、オーダーを見てまず一番に脅威を感じたのがこの國學院でした。
前々回以来の出雲路制覇、再現が見えてきました。
創価大学
前回7位
98回箱根7位
上位6名平均 13:54.14 (※留学生1名)
10名平均 14:01.71 (※9名)
上位6名標準偏差 00:13.15
10名標準偏差 00:15.35
葛西 潤(4) 14:06.33
嶋津 雄大(4) 13:59.18 前回6区9位
新家 裕太郎(4) 13:52.15 前回2区10位
濱野 将基(4) 14:06.76 前回4区9位
フィリップ ムルワ(4) 13:29.42 前回3区1位
石井 大揮(3) 14:12.42
リーキー カミナ(2) 13:48.78
家入 勇翔(1) 14:22.24
石丸 惇那(1) 13:57.91
山下 蓮(1) 14:15.92
創価大もエントリー直前直後の各種記録会で、エントリーメンバーやそれ以外の選手の仕上がりの良さが伺えます。昨年やや同大会で苦戦していた主力2名は外れましたが、そこだけを踏まえれば大きな悪材料とは言えません。
経験値も上がっているでしょうし、4年生中心の布陣というのもいいですね。好調のルーキー達と良い相乗効果を生み出せればと思います。こちらも昨年以上の順位は狙いたいところ。
法政大学
前回-
98回箱根10位
上位6名平均 13:55.91
10名平均 14:05.88
上位6名標準偏差 00:11.05
10名標準偏差 00:15.06
内田 隼太 (4) 13:39.26
扇 育 (4) 14:06.43
中園 慎太朗 (4) 14:25.22
松本 康汰 (4) 13:46.62
稲毛 崇斗 (3) 14:19.74
松永 伶 (3) 13:50.45
小泉 樹 (2) 14:16.32
武田 和馬 (2) 14:22.10
宮岡 幸大 (2) 14:08.62
清水 郁杜 (1) 14:04.06
全日本予選はアクシデントで敗退も、夏を越え法政大記録会を経て面白いチームになってきたなと思います。昨年度は持ちタイム以上に駅伝でのチーム力を発揮、特に全日本中盤までの継走は見事でした。
流れを作れるエースの卒業に加え、安定の河田くん不在はやや痛いですが、滑り出しがうまくいけば今回も持ちタイム以上の位置で戦ってくれそうです。
松本-松永-内田-扇-小泉-稲毛
補:中園、武田
法政大も良いオーダーですね。前半から遅れることなくリレーする意図がよく伝わってきます。首脳陣の目論見通りに事が運べば、前回の全日本箱根の再現は有り得そう。なにげに大学最高順位が7位なんですよね。そこより上を狙えればチームに勢いがつきそう。
帝京大学
前回8位
98回箱根9位
上位6名平均 14:05.74
10名平均 14:13.04
上位6名標準偏差 00:05.44
10名標準偏差 00:10.21
大花 将太 (4) 14:02.80
吉岡 尚紀 (4) 14:23.93
小野 隆一朗 (3) 14:04.47 前回1区9位
末次 海斗 (3) 14:29.07
西脇 翔太 (3) 13:56.71 前回5区8位
福島 渉太 (2) 14:09.52
福田 翔 (2) 14:14.11
山中 博生 (2) 14:25.26
柴戸 遼太 (1) 14:06.83
藤本 雄大 (1) 14:17.66
関東地区代表校としては平均タイムが唯一の14分台。ポイント区間を担当の頼れる最上級生が卒業し、今期は新たにチーム力向上中といったところでしょうか。もともと長い距離での駅伝を得意とするチームだけに、出雲路でどこまで…というところもあります。ここ数回は出遅れ気味の1区出だしは特に重要ですね。
毎年期待の新星がいきなり出現する面白さもこのチームの特長。すでに髙い長距離適性を見せているルーキー藤本くんの出走あるでしょうか。
藤本雄-吉岡-福島-福田-山中-末次
補:西脇、柴戸
チームエントリー時から持ちタイムは他校に比して若干見劣りしていましたが、ここから更に小野くん西脇くんと核となる選手が外れて、なかなか苦しい印象が見えます。
期待のルーキー1区藤本くんは抜擢ですね。ここで少しでも良い位置につけたいところです。
上位優勝争いはどうなるか
昨日フジテレビSPORTSのYoutubeチャンネルで放送された優勝予想では、
瀬古利彦さん
順天堂、駒澤、中央
柏原竜二さん
駒澤、東京国際、東洋
西山喜久恵アナ
青山学院、駒澤、國學院
…という上位予想でした。
いずれも名が挙がっているのは持ちタイム平均トップの駒澤大、その他のチームは上位予想への登場が揃って一度のみと、この予想だけ取ってみても混戦が見込まれます。
前回1位2位の大学の名が意外と出てこなかったなというのは気になりますね。東京国際大は前回経験者を欠くことと事前の記録会結果、青山学院大は一部主力の離脱と記録会への出走がないメンバーへの懸念でしょうか。私はそれでもこの2校はもう少し評価が高くて良いと思っているのですが…。(※東京国際大はヴィンセントくん欠場で一気に分からなくなりました。)
また、最も穴のないオーダーが組めた中大、國學院はファン目線という部分を差し引いても個人的に注目校です。区間エントリーを見ると創価も良さそうですね。
わずかなブレーキであっても、相対的に大きな影響を及ぼす強い駅伝です。上位争いをするチームの区間順位は、悪くても7-8番手くらいが目安になるかと思います。また、出雲路コース紹介にも書きましたが、3区区間賞を獲得したチームがここ数年優勝していないという一定の傾向が見られます。ごく短い駅伝ではありますが、長距離区間へエース一点張りではなく総合力が求められている証左とも言えます。区間賞よりは区間上位、でしょうか。